知ってるようでよく分からない六曜のこと|暦(こよみ)のおはなし

宝くじ売り場なんかで最近はよく「一粒万倍日」や「天赦日」なんて札が最近掛かってるのを目にするようになりました。

ほんの数年程前迄は、大安吉日や寅の日等位であり、あんまりマニアックな撰日は言われていなかったように思います。

最近のスピリチュアルブーム等でSNSやYoutube等の個人配信で今まで殆んど一般的な人には詳しい情報が無い中で、多くのインフルエンサーの方々が我先にと新しい情報を求め、すっかり埋もれてしまったいにしえの情報をサルベージして配信している甲斐もあって多くの人たちの曆に対する認識が少し上がったように思います。

そもそも明治維新で日本は新暦に移行した際その時に沢山の大切な曆に関する情報がロストしてしまいました。

明治維新前の旧暦でのカレンダーには、六曜・七曜・十二直(中段)・二十八宿・九星・暦注下段といったその日の吉凶等を示したものがあり、詳しく書かれていました。

最近のカレンダーは申し訳程度に六曜である大安、仏滅などがちょこっと記載されているものが大半です。

そもそも現代の六曜自身迷信(不確定な根拠の無いものが)という伝わりかたがされており、一体その信憑性の無いものが何故に今でも大切に伝えられているのか、とても不思議でなりません。

一体どういう成り立ちで使われているのか、ちょっと調べてみました。

六曜
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曖昧で微妙な六曜

さて、日本に伝わってきた六曜は元々、中国大陸から小六壬(李淳風時課)という卜占(占う時間によって吉凶を占う方法)として伝わりました。小六壬(李淳風時課)は、中国の唐(とう)、618年から907年まで続いた王朝の時代に天文学・数学者をしていた、李淳風(りじゅんぷう) によって考案された卜占術が起源となります。占いたいと思ったその時間から六曜(大安、留連、速喜、赤口、小吉、空亡)を割り出し占的(占いたい内容)の吉凶を割り出す卜術で大変的中率の高いものでした。

今日皆さまが認識している大安だから良い日、仏滅だから良くない日、友引だからお葬式がダメ。と言った内容は、実は伝わってきた当時の意味から長い年月をかけて意味が変容してしまい、本来の意味からは随分変わってしまいました。

最初に日本に伝わったのは、鎌倉時代末期~室町時代に伝来したと言われ、当時は今のような読み方ではなく、(大安・留連・速喜・赤口・小吉・空亡)という読み方で伝わりました。

このような占いの時間で吉凶を判断するためのもので、●月●日の日時に割り当てられている吉凶という意味とは少し意味合いが違います。

現代の六曜の大まかな意味合い

先勝(せんしょう):朝から活動を始めるのに吉。何事も順調に進む日。
友引(ともびき):友人との交流や仕事の協力が吉。人とのつながりを大切にする日。
先負(せんぶ):注意が必要な日。新しい計画や挑戦は控える方が良いかもしれない日。
仏滅(ぶつめつ):不吉な日とされ、特に新しい始まりや大事な行事には避けるべき日。
大安(たいあん):最も吉とされる日。安定して行動し、良い結果が期待できる日。
赤口(しゃっこう):万事に気をつける日。特に病気や怪我のリスクが高まるとされる日。

これらの六曜は根拠がないけど、日本の伝統的な行事や祝祭、さらには日常生活においても考慮され、人々の行動や予定の決定に影響を与えることがある事から迷信として扱われています。

しかし人の思い込みの影響とは本当に凄まじいもので、迷信でも信じれば現実のものとなってしまうため、今でも強く信じられている部分があるようです。

六曜の移り変わり

最初に六曜が日本に伝わってきたとき、六曜の読み方がや順番がちょっと違っていました。

鎌倉時代末期~室町時代には
大安・留連・速喜・赤口・小吉・空亡

江戸時代後期 寛政・享和時代には
泰安・流連・則吉・赤口・周吉・虚亡
※表記のされ方や読み方が変化しているのが特徴です。
大安⇨泰安・留連⇨流連・速喜⇨則吉・小吉⇨周吉・空亡⇨虚亡

明治維新後~現代
先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口

大安は、泰安に変わってまた戻ったり、留連は流連になり友引になったり。時代によって改変されていますが、その理由や根拠については資料が不足しており、実際どうして今の形になったのか?はよく分かっていません。

小六壬(六壬時課)の六曜の大まかな意味合い

大安(たいあん):万事に吉。何事も順調に進む日。失せ物は早めに見つかる。
留連(りゅうれん):事が成就が困難。何事もゆっくり進めるが良し。
速喜(そっき):喜び事が屋ってくる。旅行は吉。
赤口(しゃっこう):厄災がある。旅行は凶。
小吉(しょうきち):最上級の吉。万事上場。
空亡(くうぼう):事は発展せず。財を求めるも利益はなし。

先にも書きましたが元々日の吉凶を表すもので無かったのです。占う時間によって導き出される占断の吉凶を導き出すものであって六曜はその占断の結果だったのです。そう考えると結構しっくりきますね。

小六壬(李淳風時課・六壬時課のやり方についてはまた別の記事で記載してみたいと思います。
(占い結果は大変強力で物事に迷ってる時、判断に困った時にとても当たります。)

六曜のめぐる順番は?

さて、六曜は一体どうやって日に割り当てられているのでしょうか?

六曜を決めるには旧暦を使います。

現代の六曜は下の図のように旧暦のお正月1日に❶先勝から始まり、月末日まで下記のサイクルで巡ります。

翌月になるとまたリセットされ、2月以降は下記の法則で六曜がスタートするようになります。
実にシンプルな構造で割り当てられていますね。

1月と 7月は❶先勝からスタート
2月と 8月は❷友引からスタート
3月と 9月は❸先負からスタート
4月と10月は❹仏滅からスタート
5月と11月は❺大安からスタート
6月と12月は❻赤口からスタート

このように旧暦の1日を起点として繰り返します。
このように考えると、その起源や意味がどの様な根拠から生まれたのかが気になります。

次回は現在の日本の六曜の元になった、中国唐から入ってきた小六壬(李淳風時課・六壬時課)のを考察してその違いを見ていこうと思います。

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この記事を書いた人

命 (メイ)学の観点から貴方の個性に迫ります。 自分と相手を知ってもっと、自分らしく生きる道を一緒に見つけて見ませんか? 杉並区の開運暦占師、個性心理學講師/カウンセラー 「曆たかし」。

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